2008-01-01から1年間の記事一覧

常に新しい涙

お正月、姪っ子たちにお年玉をあげなければならない。 私は子どもが嫌いだ。子ども時代の自分が嫌いだからだ。絲山秋子も「勤労感謝の日」で同じことを書いていた。この理由で子供が嫌いな人は多いのだろうか。絲山秋子の小説を最近いくつか読んだけれど、『…

キャンドル・カルーセル

ケーキに乗っかれるほど身軽にラブリーになりたい。 クリスマスの残り滓でぐるぐる回すカルーセル。窓あけ 外の寒さたしかめる

驟雨

やっと12月らしく気温が下がり、喜んでいる人間を私は自分以外に周りに見つけられずにいる。孤独。 冬将軍の到着は年々遅くなる。落葉って前は11月半ばじゃなかったか。 制服を着ていた頃の私は、明治通りに散る落ち葉のなか帰路を辿るのが毎年の楽しみだっ…

天体の音楽

読み終わった直後に感じていたこと、生じた疑問を書いておこうと思いつつ怠り続けてしまい、『不滅』を読んでいて私がピタゴラスの天体の音楽について思いを馳せたのはなぜだったのか全く思い出せなくなってしまった。もしかしたらピタゴラスイッチを見なが…

炊事記と恋人

中をくりぬいたジャガイモにサーモンと生ハム、みじん切り玉葱、卵、小麦粉をまぜたものを詰め、蒸し、パルメザンチーズをかけてオーブンで焼く。 とても美味しかったので恋人の家に持って行き、ほうれん草とメカジキのパスタとともに食べてもらった。 いか…

サブリミナル俳優

世田谷線に後ろ向きで乗って、友達の住む三軒茶屋へ。 「だらだら過ごす」を目的に、女の子3人集まり半日こたつで過ごした。 ドラえもん「魔界大冒険」を鑑賞後、ダウナーな雰囲気にぴったりな「亀は意外と早く泳ぐ」。水橋研二が出ていた。 またしても一瞬…

そういえば昔好きだった

むかし好きで好きで追いかけていて一時期は彼のことばかり考えていたのに、もはやすっかり存在すら忘れていた俳優、水橋研二。 「相棒」に出るとのことで勇んで見てみたところ、あっという間に殺されてしまった。月光の囁き ディレクターズカット版 [DVD]出…

曖昧さの技術

「両義的な曖昧さの技術なくして真正のエロティスムはない。曖昧さが強力になればなるほど、興奮は活溌になる。子供のころ、お医者ごっこというあの絶妙なる遊びをやった覚えのないひとが、誰かいるだろうか?」 と、クンデラさん。そうか、お医者さんごっこ…

個人的な暦

胃腸の様子がおかしくなって一週間。 内蔵がそわそわする。 これは恋ではない。不調を母に訴えると、いつも決まって言う言葉が「季節の変わり目だからね」。 母の暦に従うと一年中季節の変わり目になってしまう。 あながち間違いではない。

敷居の住人

今住んでいる町で、朝の駅や夕方の商店街で見かける人たちは、ここに住んでいるんだなあ、と思う。 前に住んでいた街は、すれ違う人はほとんど遊びに来た人や働きに来た人たちで、みんな他所の他人だった。 『敷居の住人』の登場人物たちの、「同じ町に住ん…

ふるえるぞハート

あれ、地震かな、と思ったら、自分の鼓動で身体がゆれているだけだった。ということがよくある。本に夢中で不安定な姿勢でいる時。 もしやジョジョ立ちの不安定なポーズは心臓の動きが伝わりやすい姿勢なのでは。ジョジョの奇妙な冒険 61 (ジャンプコミック…

クンデラを読みながらニールセンを聴く・・・つまり、「不滅」 そんな語呂合わせでしか本に合う音楽を選ぶことができないことに失望しつつも、クンデラさんに合う音楽がまだ見つけられない。 不滅の合間にひらいた、大学時代に読んだ本に偶然にもクンデラか…

わたしの将来

「わたし大人になったら真木よう子になりたいな」、とか思っていたのに、真木よう子は1コ年下だった。 わたし去年25歳だったのに真木よう子じゃなかった・・オダジョーに「舌出せよ」って言われてない・・。 わたしこれからずっと真木よう子じゃないんだ…

レーニン記念入党

修論終わってから、と先延ばしにし、『未完のレーニン』読み終わってから、とさらに先延ばしにしていた映画「グッバイ!レーニン」をやっと観た。 共産主義政権下で、生活に幸福を感じていた人が居たこと、ショスタコーヴィチの素晴らしい交響曲がつくられた…

あえての旧訳

渋谷のブックファーストで、「個人的には新訳よりこちらの訳が好きです」と、原卓也訳のカラマーゾフが置かれていた。 そうそう、この読みづらさが灰色の空。スターリン批判とソビエト文学 (1973年)作者: 原卓也出版社/メーカー: 白馬出版発売日: 1973メディ…

毎日の環境学

箭内道彦や小林武をはじめとするおしゃれ有名人がこんなにもエコをファッションとして喧伝しているとなると、そのうち「エコである」っていうのは男がモテる要素として見做されるようになってしまうのでは、という私の発言に対し、友人曰く「もうそうなって…

方違え

引越しの方位が悪い、という口実のもと、恵方エリアへ8日間の一人旅。 下田でペリー、修善寺で黒米、富士、湯河原 行く先々の宿の人に傷心旅行か自殺志願者かと疑いの目を向けられつつ、日差しと蚊(? いなかの大きい刺す虫)を厭い、部屋で大半の時間を過…

おうちを空っぽにするのだ

20代も終わりに差し掛かれば、「初体験!」の驚きなんてそうそう訪れない。 飲酒も喫煙もセックスも日常の中で輪郭がぼやけて当たり前に隣にある。 そんな私が衝撃を受けた人生初の経験、お引越し。 30年近く住んだ渋谷のアパートから、同じ区内だからと引越…

サレップ

『夢宮殿』を読むときに一番ぴったりくる音楽はスティーブ・ライヒだとわかった。ぐるぐるぐる物語の中で人々が飲んでいるトルコの(?)飲み物、サレップが気になり調べてみたが、「ラン科植物の球根を煮て、乾燥させた生薬。媚薬・強精材として用いられる…

誰がドレンチナを

第一回「東欧について語る会」 は、寺尾沙穂さんファンの友人が映画「転校生」を見ようと言い出したために上映会となってしまった。 次回はもっとまじめに開催するために課題図書を出し、それぞれ読んでおきましょうということで、文科系男子な先輩がアマゾ…

2月、モスクワ

つづきの話。私が今までの人生でいちばん必死に、文字通り必死に歩いたのは2月のモスクワで遭難したとき。 バスもタクシーも見つからず、ここがどこかも分からず、商店もひとつもなく、果てしなく長い道路を高速で走り去る車を見送り続けながら、ひとまず右…

雪を払いはね上がる枝

夏に逝去した祖父の遺体は半日で腐乱を始めた。 葬儀屋が急遽お棺に詰め込んだドライアイスも、古びた畳と腐乱臭との親和性を断ち切ることはできなかった。 私がこの季節と死とを結びつけてしまうのは、この記憶のせいではない。 有機物が腐敗する暑さと湿気…

もう終わりか俺

多部未華子ちゃんの腫れぼったい奥二重が好き。 汚れた芸能界でいつか彼女もぱっちりお眼々になってしまったら残念。

若さゆえの過ち色とりどり

久しぶりに、若い女の子たちとお酒を飲んだ。24色クレヨン箱の中の色を眺めてうっとりするように。 目をあげれば世界に24どころじゃなく無限の色があるのに、彼女たちは自分の箱に収まる「色々」を愛でるのが好きなのかもしれない、なんて。 誇らしげな…

紅りょうぜん

マイナー品種果実が好き。 甲斐路の季節が待ち遠しい。優良品種の農作物や食肉は 遺伝子に特許を与えるべきだという 意見があるようだけれど、 遺伝子に、しかも美味しいからという理由で 特許を与えるって、資本主義だなー。

迷子になった憶えはない

大好きな友達と、西原のカタネカフェへ。 シナモンがいっぱいかかった、少し薄めでサクサクのワッフルと、アンズのコンポートとアイスでガーリーに過ごす。 カタネベーカリーで購入したパンをぶらぶら持ちながら、大山公園を目指し起伏の多い西原界隈をひた…

遺伝子の耐えられない偉さ

ウェンツくんがテレビで笑われているのを見ると 日本人のアメリカに対するコンプレックスのはけ口にされているような気がしてならない。 同じようにDAIGOとやらが笑いの対象にされているのも、DNAに潜む権威を笑うことで何やら観衆の鬱憤を晴らさせ…

魔法を信じ続けるかい

勝手に仮説・1 テレビに出てるマジシャンはほとんどが男性だ。 なぜなのか。 言い換えれば、なぜ男性はマジックを身につけたがるのか。「すごい」と言われたいからではないでしょうか。 多くの男性が言われて一番うれしい言葉は「すご〜い」 みうらじゅん曰…