ふりかえること

電車ですわっていて降りるとき、銀行のATMを利用して銀行から出るとき、わたしはうしろをふりかえり、忘れものがないか確認する。

親友が、まえに言っていた。
「ふりかえると、なにもないんだよね。忘れものしちゃうときは、ふりかえるの忘れてるときだから」

電車で、銀行で、職場で、さあ帰ろうとふりかえるとき、いつもわたしは彼女のその言葉を思いだす。

いつか、ふりかえるのを忘れて、だいじなものを置きっぱなしにしてしまうかもしれない。
もしくは、ふりかえったとき、彼女の言葉を思いださなくなる日があるかもしれない。


それは、いやだなあ。

わたしは今日もふりかえる。だいじなものを、忘れないために。