霧
クンデラを読みながらニールセンを聴く・・・つまり、「不滅」
そんな語呂合わせでしか本に合う音楽を選ぶことができないことに失望しつつも、クンデラさんに合う音楽がまだ見つけられない。
不滅の合間にひらいた、大学時代に読んだ本に偶然にもクンデラからの引用が。
「人間は霧の中を進む者である。しかしうしろを振り返って過去の人びとを裁こうとするときには、途中にどんな霧も見えない。
(中略)
いったいだれの眼のほうが見えないのだろうか。レーニンについての詩を書きながら、レーニン主義がどこにひとを導くのか知らなかったマヤコフスキイだろうか?それとも、数十年の隔たりを置いて彼を裁き、彼を包んでいた霧が見えないわたしたちのほうなのだろうか?
マヤコフスキイの迷盲は、永遠に変わらぬ人間の条件の一部である。」
それに続く桑野隆先生のお言葉。
「わたしはかれらの「途上にかかっていた霧」を凝視したいと思います。」
かっこいい。
そして私はかつての恋人に言われたことを思い出す。
「お前みたいな人間が、歴史研究なんてできるわけがない」
彼の言葉は正しかった。
霧を凝視する力が無かった私は研究者にはなれなかった。
ひとまず読まねば、クンデラ。
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