どっちもどっち

きのうの映画のように、お金を払って幸せを手に入れたときには「資本主義よ、今日も娯楽をありがとう」という気分になるのだが、昨日はソ連時代に作られた作品もあったので、いちがいに資本主義に感謝はできない。
それどころか、やはりパルン氏もソ連時代はお金の心配がなかったと言っており、ノルシュテイン氏に至っては、スポンサーがつく前はお金がないお金がないといつもこぼしていたという話だから、ただ作りたい人にとっては共産主義体制下のほうがやりやすかったのかもしれない。
先日もロシアの社会事情を特集した番組の中で、あるロシア人科学者が、ソ連が崩壊して研究が続けられなくなったとこぼしていた。
もちろん検閲やらなんやら、ね。どっちもどっち。
それでも私は、ショスタコーヴィチが実際に残した作品のファンであり、彼の才能のファンではないから、「うまく亡命でもしていたらショスタコーヴィチはもっとのびのびと作曲にうちこめて良い作品がもっとたくさん・・」とか考えたりはしない。
そして、いまロシアがまた共産主義化したらノルシュテイン氏も日本に出稼ぎにくる必要もなく、もっと安心して制作にうちこめるかもねー?なんて言ったら、きっとDくんが「そんなことになったらインタビューする機会が減っちゃうから、やだよ」と言いそうな気がする。