子供たちの子供たちの子供たちへ

年末に交わした婚約は現実だったのだなあ、と実感したお正月。 婚約者の故郷で見慣れない富士山を眺め、これから毎年、富士山を見ながらお正月を過ごすのかなあと考えた。
「盆と正月に帰るイナカができた」

例によって年始の挨拶メールをくれた幼なじみは実家を出て一人暮らしをしているとのことで、私たちの故郷にはもはや同窓生は2人しか残っていないのだ。
その2人も、土地の所有者である祖父母が亡くなったらきっと、莫大な相続税を支払えず、どこかへ出ていくのだろう。
母校の小学校はとっくに福祉施設に変わったし、私が26年間暮らした建物も近いうちに取り壊される。
感慨は無い。はじめから、知り合いはほとんどいない他人だらけの街だった。いつでも立ち寄れる、私の故郷。
相も変わらず、故郷の名を冠されたジャンルの音楽を聴いている私は、「うまい棒ってこんなに短かったっけ?」とか考えるにつれ「大人になれば 世界はすこし 小さく見えるから」という歌詞にいまさらながら納得している。うまい棒を食べるときに服を粉だらけにしてしまうのは子供の頃から進歩していない。